ひがしひろしま創業塾2022~夏の陣~ Day3
思いを具現化するために改めてビジネスを知る!
創業塾3日目は、株式会社ボーダレス・ジャパンの鈴木 雅剛さんを講師にお迎えしました。
「思いを具現化するために改めてビジネスを知る!」と題しまして、徹底的なコストカットについて学びました。
「あなたはなぜ経営したいのですか?」
鈴木さんから参加者に、質問からスタート。
なぜこんな質問からスタートしたかというと、経営をやり始めるとめちゃめちゃ楽しいが、なぜ経営をしたいのかという答えを持っておかないと、壁にぶつかったときに砕け散ってしまうとのこと。
・人の喜ぶ顔が見たい
・地域の役に立ちたい。
・残された人生でチャレンジしてみたい。
経営していると、時には借金をし、苦しむこともあるので、これらの思い、なぜ経営したいのかというところ(原点)に立ち返ることがあるそうです。
「赤字=事業に価値なし」
厳しい言葉でしたが、事業を継続できないということは、ビジネスとしての存在意義がないという話になります。
事業を継続するためにも、事業の黒字化が経営の一歩目となるので、収支を考えなければなりません。
収支:未来の出ていくお金と入ってくるお金を予測したもの
入ってくるお金:売上
出ていくお金:費用
未来/予測したもの:仮説
Tシャツ屋さんを経営すると仮定したとき、費用として考えられるものとしてどんなものがあるか?
Tシャツを生産する設備、デザイナーのデザイン料、布などの素材、梱包料、広告宣伝費など、参加者から多くの回答がありました。
ほかにも、配送料や消耗品費、水道光熱費など、多くの費用が発生することが分かります。
会計用語の整理です。
売上の増減に直接的に比例する費用は?=変動費
売上の増減に直接的に比例しない費用は?=固定費
1個商品を売った時にどれだけ固定費を回収できるか?=限界利益(=売上高-変動費)
売上が増えて、固定費と変動費を上回ることになる点は?=損益分岐点売上高(BEP)(=固定費÷{(売上高-変動費)÷売上高})
売上高と費用が等しくなり、利益、損益ともに0になる販売数量は?=損益分岐販売数量(固定費=限界利益)
企業の主たる営業活動(本業の商取引)で稼いだ利益は?=営業利益(=売上高-変動費-固定費)
モノやサービスを売った売上高から変動費を差し引いた利益のことを限界利益といい、これを計算することで、
・販売価格は妥当なのか?
・時給が高くないか?
ということがすぐ分かり、対応を考えることができます。
経営について考えるうえで、気を付けなければならないことは、
・限界利益額が数千円は出るようなモデルにしないと食べていけない。
・粗利益率の額が高いものを売るべき。
・単価を上げないと利益率が上がらない。
・サービスの提供を受けた人、モノを購入した人が大満足したか?
・リピーターの獲得につながるか?
・プロダクトのユニットを考える。
などなど、多くのことを考えなければなりません。
スモールスタートアップの鉄則は、1つの商品、サービスを突き詰めること。
そして、ビジネスの基本は「LTV(Life Time Value)」
集客コストは新規客に比べて、既存客の方が圧倒的に下がるので、リピート客を増やす、定期購入してもらうなどでLTVを最大化することで安定経営が実現します。
また、売上が伸びるときには「打ち手の仮説」が必要になる。
売上が伸び悩んだときには、何をするから、何が理由でリピート客が来ると考えるのか、しっかり仮説立てた数字による考察が必要となります。
この考察をしっかりと説明ができる人は、解像度の高い仮説ができているので、仮に上手くいかなくても、立ち返って再検討し、次の打ち手を打つことができる。
最初の話に戻りますが、赤字では事業は継続できません。
事業を行うとき、9か月で黒字化する。(半年から1年以内が鉄則)
黒字化に1年以上かかるような事業は、自分が保たないのでしない。
また、創業時は、現金(CF(Cash Flow))が一番大事で、倒産前に黒字化しても、現金が尽きると黒字倒産してしまいます。
そのため、名刺のような印刷物で大量に買うと単価が安くなるものはあるが、使い切らなければお金が無駄になるので、単価が安くなるからと言って必要以上に発注しないなど、徹底的なコストカットが大事です。
最後は価格設定についてお話いただきました。
コストから価格を決める人が多いが、お客さんのマインドとしては、リーズナブルであることが購買意欲を高める要素であり、お客さんが「え、この値段で買えるの?」っていうリーズナブルな金額(プライシング)が適切であり、競合商品と比較したときに、こっちの商品の方がいい!ってなるとよいとのこと。
「幸せになってください。」
経営をするのは、自身が幸せになるために事業をやる。
事業をする目的はいろいろな理由があると思いますが、結果的に自身が幸せにならなければ苦しいだけになってしまいます。
マインドセット、スキルセットを継続してやることで経営が正しくできていきます。
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