教科書の外にいこう!ミライノ研究者へ 「ゲノム解読から生物のプログラミング」
教科書の外にいこう!ミライノ研究者へ
「ゲノム解読から生物のプログラミング」を開催しました。
3月5日(日)に一般社団法人バイオDX推進機構様と強力なタッグを組み、「ゲノム解読から生物のプログラミング」を開催しました。
一般社団法人バイオDX推進機構 様のHPはこちら→ゲノム編集、バイオdx、共創 | 一般社団法人バイオdx推進機構 | 広島県 (biodx.org)
世の中に広がるIoT、プログラミング、デジタル化社会。バイオテクノロジーの分野もその波にのって「バイオDX」として発展しております。
これからどのような可能性が広がるか、社会とどのように繋がっていくのか。
そんな教科書から一歩進んだ世界をぜひ見ていただきたいという思いのもと、主に高校生・大学生を対象にイベントを開催しました。
当日は現地参加の高校生・大学生・大学院生のほか。オンラインとのハイブリッド開催により、たくさんの皆様にご参加いただきました!
広島大学大学院統合生命科学研究科 特任教授 坊農 秀雅 様
岩手医科大学 医歯薬総合研究所 生体情報解析部門 教授 清水厚志 様
京都大学大学院医学研究科博士課程後期 丹羽諒 様
プラチナバイオ株式会社 代表取締役CEO 奥原 啓輔 様
の4名にご登壇いただき、それぞれのキャリアパスを語っていただきました。高校生や大学生の皆さんの今後のキャリアを考えてもらう機会となりました。
広島大学大学院統合生命科学研究科 特任教授 坊農秀雅 先生の履歴書
バイオインフォマティクスの専門。広島大学で講義を行っています。ほかにも生物科学、データ解析を主とした専門書の執筆を行っています。
大学3年生、生物物理学の授業でヒトの遺伝子が読めるかもしれないという記事が配られた際に興味を持たれたとのことです。
大学院進学し、ピペットをキーボードに持ち替えてゲノム情報科学の研究室に入門しました。
広島大学では赤しそや、ミツバチなど有用物質生産生物をターゲットに、ゲノム配列解読、遺伝子を見つけていく部分を頑張っています。
昨今ゲノム編集ツールは開発する人が多いですが、バイオインフォマティクスは開発する人が少ない状況ですが、最近は注目されつつあるとのことです。
どんどん坊農研究室に出入りしてほしいし、見に来てください!といわれておりました。
※坊農秀雅先生 。バイオインフォマティクスについて熱く語っていただきました!
岩手医科大学 医歯薬総合研究所 生体情報解析部門 教授 清水厚志 先生の履歴書
岩手医科大学のほか、慶応義塾大学、情報・システム研究機構、東北大学などで5個の教授職を持たれております。
小学校3年生の時にPCを買ってもらいプログラミングができるゲームに夢中だったとのこと。
その後、硫酸銅の美しさから化学に興味をもち、有機化学の教科書で学んだ電子軌道がとても面白く、大学でも生物科学研究室で金属タンパク質の勉強をし、教職課程も選択されたとのこと。
大学院の博士課程の際に慶応義塾大学の清水信義先生と出会い、UNIXを用いてヒトゲノムプロジェクトの仕事をすることになりました。
その後ヒトとメダカの研究を進めているときに出会ったのが次世代型シークエンサーであり、バイオインフォマティクス解析を手伝っていたとのことです。
東日本大震災からの復興にむけたプロジェクトである東北メディカル・メガバンク計画ではエピゲノム解析をやることになったとのことでした。
これからも研究をどんどん進めていかれたい!とのことでした。
※清水厚志先生。研究に興味をもたれてから現在まで、とても細やかなキャリア形成のお話をいただきました!
京都大学大学院医学研究科博士課程後期 丹羽諒 様の履歴書
博士課程の大学院生ということで参加者の皆様により近い立場からのお話でした。研究内容はiPS細胞。その凄さを語っていただきました。
iPS細胞は簡単に言えば人工多能性幹細胞、再生医療をはじめとした分化多能性を持つ細胞で、分化ができるというのが再生医療に応用されている部分です。
丹羽さんのキャリア形成ですが、岐阜大学で応用生命科学を学んでいたとのこと。
在学中にiGEMという国際コンテストサークル活動をしていたとのこと。
そのコンテストの中では、セリアック病の治療薬をつくるプロジェクトが製薬会社に治療薬として買収されたこともあるそうです!
生物プログラミングは世界を変えることもあるとのことでした。
生物プログラミングの経験を通して、今の研究分野を選んだそうです。
※丹羽諒様。現役の大学院生の丹羽様のお話は大学生、高校生の皆様に刺さっていたのではないでしょうか。
プラチナバイオ株式会社 代表取締役CEO 奥原啓輔 様の履歴書
キャリアのスタートは研究者でなく、研究者を支援する仕事をするJSTにて、産学連携のサポートをされていました。
内閣官房で国の知財戦略の策定をしていたキャリアもあり、その後東広島市の市役所にて子育て支援の仕事を4年間されていました。
広島大学へ出向、大学の営業マンとしての仕事をはじめ、共同研究や国のプロジェクトの獲得を目指すサポートをしており、
その中にはもともと所属されていたJSTのプロジェクトを獲得する側になることもありました。
そういった中で広島大学のゲノム編集の研究者である山本卓教授に出会い、広島大学発ベンチャー2019年に立ち上げました。
ゲノム編集とバイオDXで未来を拓くというテーマで様々な機関との連携やプロジェクトに取り組んでいます。
※奥原啓輔様。研究者をサポートするたくさんの役割を経験されたお話をいただきました!
その後、奥原CEOがファシリテーターをされたトークセッションが行われました。
それぞれの立場でたくさんのテーマについてご意見をいただきました。
新しい研究フォールドに挑戦するときの心構え、チーム形成に大事なこと、研究室の選び方、バイオインフォマティクスをはじめるときに必要なこと、
公共データベースの活用について、世界的な研究のトレンド、ヒトゲノムプロジェクトの国際的な共同研究におけるデータ連携、海外視察のためのプログラムなど多岐にわたる話題が飛び出し、
とても盛り上がった様子でした。
その後Q&Aコーナーでは現地やWEBの質問ツールからたくさんの質問がでておりました。※一部を紹介いたします。
大学院に進学するにあたってどのように勉強していればよいか?(大学生)
→後悔のないように、やりたいことをやればよい。可能であればプログラミングを覚えておくとよいと思います。(坊農先生)
→大学から大学院の場合は、英語スキルと小論文に必要な熱い気持ちと知識。
また社会人から大学院に行く場合という道もあるのでぜひ企業や自治体に努めている人がいたのならば博士になってみませんか。(清水先生)
→研究の内容も大事だけれど、誰に教えてもらうかも重要です。(丹羽さん)
→先生に会いに行くということも大事。オンラインでの講演もあるし、いろいろ探してもらって自分の興味の幅を広げていくといいのかと思う。(奥原CEO)
※大変素敵な座談会でした。参加者からもいろいろな質問が出ておりました!
イベントの最後に坊農先生の研究室へ動画を使って訪問してみました。
なお当日の様子、動画データなどを一般社団法人バイオDX推進機構 様のHPにて公開しております。そちらもぜひご覧ください!
→(アーカイブ)2023-03-05:春休み企画!高校生・大学生対象「ゲノム解読から生物のプログラミング」を開催しました! (biodx.org)