産学連携のキープレイヤー～金融機関との連携の在り方
3回シリーズ！新たな産学連携のカタチ
第２回「産学連携のキープレイヤー～金融機関との連携の在り方」を開催しました。
11月27日（日）に東広島市産学金官連携推進協議会が主催するイベントがミライノ+で開催されました。
東広島市産学金官連携推進協議会は、平成２０年度から活動を開始し、東広島市における産学金官連携の推進するため、地域の産業振興及び経済発展に寄与する活動に取り組んでいる団体です。
そんな本市の産学金官連携を推進するために、開催したイベントです。
産学金官連とはその名の通り、たくさんの機関が連携して事業の推進を行っております。そのなかでも地域経済の活性化と産学連携のキープレイヤーである金融機関と、大学と企業の橋渡し役を担う技術移転機関（TLO）の方をお招きし、大学発ベンチャーの創業・経営支援や、特許・共同研究による知的創造サイクルについてのケーススタディを学んでいきました。
※イベントのファシリテーターは合同会社イキナセカイ 神戸大学客員教授の安川幸男氏にお願いしました。
ゲスト登壇者に 株式会社阿波銀行 営業推進部 部付部長 里 正彦 様、
株式会社テクノネットワーク四国ライセンスアソシエイト 矢野 慎一様
前回に続きましてコーディネーター神戸大学バリュースクール教授 坂井 貴行 先生
にもご参加いただき、後半の座談会にご参加いただきました。
株式会社阿波銀行 営業推進部 部付部長 里 正彦 様
株式会社阿波銀行と徳島大学との間で連携協定を結んでスタートした課題解決型産学金官連携は、最初の8か月間は苦戦し、面談が3件にとどまってしまったとのこと。
そんなときに産学連携担当の坂井先生と個別企業訪問を開始し、約3年で108社を引き合わせて企業の抱える課題抽出・課題解決に大学と共に取り組みました。うち23件の共同研究の実施、商品化等に繋がる案件もでてきました。
お話の中でインパクトがあったのが「やらなかったこと」から見えてくるもののお話でした。
地域コンソーシアムの組成、企業ニーズの把握、大学シーズの活用、研究情報データベースの活用、大学教員の研究内容の把握、専任担当者の配置、営業店評価上のインセンティブなど・・・
産学金官連携するなら絶対にいるだろうなというワードが並んでいると思います。これらは金融機関がやる必要はなく、それぞれができる機関でおこない、密な連携を行うチームで動くことが重要とのことです。
株式会社産学連携キャピタルのお話や神山まるごと高専のお話などもいただきました。
※株式会社阿波銀行 里部付部長 。穏やかな雰囲気で丁寧にお話をしていただきました｡
株式会社テクノネットワーク四国ライセンスアソシエイト 矢野 慎一 様
四国TLOは四国唯一の技術移転機関であり、大学の研究者の研究成果を権利化し、それを民間企業等への技術移転する機関です。
いくつかのケースを紹介いただきました。
重機レンタルの企業の事例ですが、ベテランと新人の営業マンの提案には差があります。ベテラン営業マンは顧客の発注に追加で提案をできますが、新人営業マンは発注したもののみを対応するので、機会損失に繋がっております。
そういった事例をAIによる営業支援ソフトを産学連携で開発しました。これを開発先だけでなく第3者にライセンスも行っているとのことです。
研究機関である大学と営利目的の企業が相反する目的をもっているので、個々をつなぎ合わせるために銀行員の目利き力と相反する2者をまとめるコーディネーターの力、そして最大の成功の秘訣は、２者がワクワクするゴールを設定することです。
逆設計をし、関係者全員のモチベーションを上げてずっとワクワクが続くようにすることが大事とのことです。全員で製品像を画面合わせし、製品を作るまでのステップを設定し役割分担を全員で協議するとのこと。
そういったワクワク感の継続が産学連携の強いチーム力を生んでいるのだと思いました。
※株式会社テクノネットワーク四国ライセンスアソシエイトの矢野様｡みんながワクワクするゴールの設定を目指されております｡
その後の座談会では、大変和やかな空気で行われました。矢野様のはなしでもあったように常にワクワクを共有してこられた３名のお話は大変興味深かったです。当日は金融機関をはじめ、大学や支援機関の皆さんからの質問がどんどんでてきて、ひとつひとつ体験談を踏まえてお応えいただきました。
参加者のみなさんも産学連携を身近に感じていただいた内容の濃い時間となりました！
※大変穏やかな空気の座談会でした｡参加者からもいろいろな質問が出ておりました!
