三ツ星大学★★★チョコレート編(2限目)
東広島が世界に誇る食の探究者が結集する至高のグルメ講座『三ツ星大学★★★チョコレート編』、9月2日(水)の2限目は、いよいよチョコレートのサイエンスに切り込みます。
《ダイジェスト》
「チョコレートの消費量を1.5倍にするぞ! I LOVE チョコレート!!」
大きな夢を熱く語る佐藤学長からは、チョコレートの効能はもちろん、時代とチョコレートの関係性を紐解きながら次に来るであろう「カカオ」ビジネスについてご紹介いただきました。途中、学長オリジナルカカオ料理の試食を挟んで、後半のzoomライブに登場したのはなんと!ベネズエラ大使です!同国でカカオ豆の生産・輸出に取り組んでいるパティ―ニョさんと一緒に、ベネズエラのカカオ豆の魅力をたっぷりと語っていただきました。国際色(食)豊かな3時間の講義、見逃した方はユーチューブで配信中です!
1 チョコレートサイエンスとビジネスの可能性(佐藤清隆)
「日本のチョコレート消費はまだまだ伸びますよ。私の生涯を賭けて消費量を今の1.5倍にしてみせます!」
日本人の生活に溶け込んでいる印象のチョコレートですが、ドイツと比べるとその消費量は6分の1程度なのだとか。チョコレート本来の美味しさや近年の研究で明らかになった健康効果を考えるとまだまだ消費を伸ばす余地はありそうですね。
カカオ70%/80%という「ハイカカオチョコレート」やカカオ豆の産地を限定した本物志向の「ビーントゥバー」など、チョコレートは形を変えながら日々進化しています。では、次に来る本命は何でしょうか、学長の予測はずばり「カカオ料理」です!
“料理の後のチョコレートから、料理の中に入れるチョコレートに必ず変わります!”
なるほど!ではそう確信される根拠を一足先に味わってみましょう!
・にんじんとカカオニブのラペ
・カカオニブとバナナ甘酒のスムージー
・チョコ入りコロッケソース
(※カカオニブはカカオ豆を乾燥・発酵・焙煎したチョコレートの原料)
参加者の皆さんの笑顔がその美味しさを物語っていますね。
(どの料理もチョコレートの風味とほのかな苦味がアクセントになっています。)
おっと、ここで佐藤学長から偶然参加していた大浦鮮魚店さんへ宿題が!?
「次回までにカカオニブを使った魚料理を考えてきてください(笑)」
美味しさのリレー、まさにイノベーション!佐藤学長のアドリブも最高です!
2 ベネズエラと日本のカカオ豆に係わる歴史(ベネズエラ大使 イシカワ・セイコウ氏)
「ベネズエラと日本はカカオ豆を通じて深く繋がっていますよ!」
zoomの画面越しにそうお話くださったのは、秘密の特別ゲスト、ベネズエラ大使のイシカワ・セイコウ様です。大使ですよ、大使!とても気さくなお人柄に同国の素顔が垣間見えますね。カカオ豆の起源であるベネズエラは、現在も最高級カカオ豆の生産が盛んです。
そんなベネズエラ産カカオ豆の輸出先第1位はなんと日本なのだとか、ご存じでしたか。価値がないとされていた同国産カカオ豆でしたが、その風味の豊かさにいち早く気付き輸入を始めたのが日本人なんです。「日本とベネズエラ」から「日本特に東広島とベネズエラ」へ。チョコレートが繋ぐより一層の深い結びつきに期待が高まります。
3 フェアトレードの最新動向(パティーニョ・アレハンドロ氏)
≪経歴≫ベネズエラで生まれ、広島大学大学院国際協力研究科で博士号を取得、その後ベネズエラ大使館勤務を経て、ベネズエラのカカオ豆を輸入・販売するサバセバ社を起業
「東広島は日本のふるさとです。」
東広島にも縁があるアレハンドロさんから、ベネズエラの中でも非常に良質なカカオ豆を生産する「パタネモ」という地域について詳しくご紹介いただきました。独自の品種を森の中で育てる農法から収穫後のプロセス、高品質の理由などなど、普段当たり前に食べているチョコレートがどうやって作られているのか、文化的な背景や現地の想いも含めて非常に分かりやすく教えていただきました。最新技術の導入にも目を見張るものがあり、カカオの木一本一本にセンサーを埋め込んで、品種や樹齢、生育状況、衛生管理などのデータをクラウド管理しているとのこと。歴史とテクノロジーによるチョコレートイノベーション!エキゾチックな香りの「パタネモ」、食べてみたい!